そして、骨盤底筋群のトレーニングは始める年齢によっても効果と期間は大きく違ってきます。
早い年齢で始めれば、より早く効果が表れます。
一般的に筋肉は使わなければ、加齢と共に衰えてしまいます。
活動量が多い若年層であれば衰えは感じにくいですが、活動量が少なくなりやすい中年層から高齢層は筋肉に力を入れる意識がなければ、知らず知らずのうちに衰えてしまうので効果の実感まで長期間かかってしまいます。
筋肉は、トレーニングをすることによって機能が上昇したり維持できたりする一方、トレーニングを止めると衰えてしまいます。いかに自力で意識をして継続することが大事になってきます。
なので、毎日欠かさずできれば言うことなしですが、なかなか難しいですよね。
最初からハードルが高いと継続できないので、トレーニングに慣れるまでは2日に1回など継続できる間隔で実践してください。
忘れて欠かしてしまっても大きな問題はありませんが、その分だけ効果や期間が長くなってしまいます。
最初のうちは、骨盤底筋群のトレーニング自体にそれほど時間をかけなくても良いです。
1日数十分程度から始めるでも良いでしょう。
何回も言いますが、無理なく継続することが大事です!
ここからは、骨盤底筋群のトレーニングのコツを書いていきます。
骨盤底筋群の動かし方って意外と難しいと思います。
動かす方向を間違えていたり、違うところに意識が向いて力が入っていたり。。。
骨盤底筋群は関節を動かす筋肉ではないので、動きを目で確認するのは難しいです。
なので、骨盤底筋群に力を入れる方向と力が入っている感覚を意識することが大事になってきます。
力を入れる方向とか感覚とかに気をつけていると、いつの間にか下腹に力が入って息んでしまい、骨盤底筋群を押し出す方向に力が入っていることもあります。
排便するときのように押し出すように力を入れるのは間違いです。
力が入っている感覚を別の表現にすると、大便が出そうなのを我慢して引っ込める感覚、尿が出そうなのを我慢して引っ込める感覚です。
さらに女性の場合、膣から胃の方向に向かって空気を吸い上げるという感覚で力を入れます。
男女ともに、下腹にグッと力を入れて息んだり、下腹だけを引っ込めるのは間違った力の入れ方です。
仰向けに寝て、足を肩幅くらいに開いて両膝を立てて、膝は閉じないようにします。
下腹に手を当てて、自転車のサドルに当たる部分を意識して、静かにゆっくり息を吐きながら大便や尿が出そうなのを我慢して引っ込める感覚で力を入れると、骨盤底筋群が収縮します。
下腹に手を当てるのは、下腹に力が入っていないかを確認するためです。
数秒〜数十秒、骨盤底筋群に力を入れたら、こんどは静かにゆっくり息を吸いながら骨盤底筋群に入れていた力をゆっくり抜いていきます。
息を吐くのも吸うのも、ゆっくりですよ!
慣れない間は、下腹にやや力が入ってしまうと思いますが、慣れてくると下腹に力を入れることなく骨盤底筋群のみに力を入れることができるようになってきます。
また、呼吸を取り入れるのは、骨盤底筋群は呼吸時に働く横隔膜とつながっているからです。
息を吐くと横隔膜は頭の方向に引き上げられます。息を吸うと横隔膜は内臓がある方向に引き下がります。
この呼吸時に働く横隔膜の動きを利用して、息を吐いて横隔膜が頭の方に上がれば、それと同時に骨盤底筋群も引き上げられるのです。
さらに言うと、腹横筋や多裂筋といった体幹を支える筋肉ともつながっているため、この筋肉の収縮を促してから骨盤底筋群のトレーニングをすると、なお良いでしょう。
大事なことは、骨盤底筋群に力が入っている感覚を意識することです。
運動習慣が無かった人には、トレーニングを日常生活に取り入れることは難しいかと思います。
しかし、尿・便失禁などのトラブルを防いだり、正しい姿勢を手に入れるためには、このような症状と上手につき合いながら、計画的なトレーニングを継続するのが良いでしょう。
また、効果が出てきたからといって止めてしまうと、再び骨盤底筋群は衰え始めるため、日常生活に上手く取り入れることをオススメします。
力を入れる感覚がわかってきたら、寝ながら、座ったまま、立ったままでもトレーニングはできるので、チャレンジしてみてください。