関節痛、ストレートネックなどのからだの歪み、首こり、肩こり、背中や腰、膝が痛い、からだの不調などなど。
背骨や骨盤、関節が歪んでるから、血流が悪くなってるから凝ってしまうと思われてる方が多いと思います。
今月は、関節痛やからだの歪み、凝り、からだの不調などの原因について書いていきます。
からだの歪みが関節痛や凝り、からだの不調の原因と思われて、関節をボキボキと矯正して整えることや凝りをほぐすことが根本治療とされてきました。
関節の歪みだけ着目されますが、関節を支えているのは筋肉なんです。
じつは、ヒトのからだには約600ほどの筋肉があり、これが全部きちんと働いているかというと、そうではないのです。
ヒトは使いやすい筋肉しか使わないので、よく働く筋肉と働かない筋肉が存在します。
そして、からだを動かしたり姿勢を保つためには、筋肉がバランス良く力を発揮できることで関節は支えることができ、スムースに動かせることができるのです。
関節を支えている筋肉が、上手く働いていない、筋力低下が起きてしまうと、関節を支える筋肉の力はアンバランスになり、関節はスムースな動きを失ってしまいます。
つまり、筋肉が本来の役割を果たせていないため、上手く働いていない筋肉の周囲にある別の筋肉が過剰に頑張ってフォローしようとするので、これが凝りになってしまったり、関節に痛みを発してしまったりするのです。
このような筋肉の状態で、かたよった動き方や長時間同じ姿勢でいることの積み重ねが、からだの歪みを生じさせ、不調を起こしてしまうわけです。
例えば、腰を反ったときや腰を丸くしたときに痛みが出るのは、腹筋や背中の筋肉が弱いとか関節の歪みとかではなく、骨盤や腰椎を支える別の筋肉の働きが悪くなっているからです。
働きの悪い筋肉、筋力低下が起きている筋肉の状態でボキボキする関節矯正だけをしても、歪みはその時には一時的に治ることもあるでしょう。
しかし、関節矯正で整えたり、凝っている筋肉だけをゆるめる、鍼を打つ、温めて血流を良くするだけで、働きの悪い筋肉を放置していては根本的な改善にはなりません。
働きの悪い筋肉に何も手を打たず、施術後いつものように普段通りの生活動作や運動をしていると、時間とともにからだはまた元の歪みに戻り、一時的にゆるんでいた筋肉は再び凝り始めてきてしまいます。
なので、関節が歪んでいる、痛みが出ている、筋肉が凝ったりしている、だから、筋肉の働きが悪くなる、筋力低下を起こすのではありません。
関節を支えている筋肉の働きが悪くなる、筋力低下を起こす、だから、関節が歪む、痛みが出る、筋肉が凝ったりしてしまうのです。
また、関節を支える筋肉に必要なのは太さや量だけではありません。
働きが悪くなる原因には、脳からの「働け」という指令の頻度や伝達も大きく影響しています。
「働け」という指令が伝達されにくくなると、筋肉は働かなくても良いんだと認識し、力を入れることを忘れてしまい、前述したように別の筋肉が過剰に頑張ってフォローしようとします。
そうなると、姿勢は徐々に崩れはじめ、関節に負担をかけ始めてしまうため、腰痛やストレートネック、狭窄症、四十肩・五十肩、外反母趾や手指の変形など、あらゆる関節痛、疲れがなかなか取れないなどといったことが出てきます。
そして、からだの深部にある筋肉や意識が向きにくい筋肉ほど働きが悪くなりやすく、筋力低下を起こしやすいです。
また、血流も悪くなりやすいので、疲労の回復も悪くなってしまいます。
なので、いざ「働け」と思って意識して力を入れても、力が入っている感覚がしないということがあります。
なかなか症状が改善しないのは、働きの悪い筋肉があって「働け」という指令が伝達されにくく、力が入りずらくなっている状態なので改善するには時間を要します。
働きの悪い筋肉を放置して、歪みだけを治す、凝っている筋肉だけを緩めるだけでは、関節を支える筋肉は上手く働いてくれません。
今月も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。