今月は関節がポキポキと鳴る原因について書いていきます。
指や首、背中や腰を曲げたり捻ったりしてポキポキ鳴らす人、見かけませんか?
私が小学生の頃の漫画でも、相手を威嚇するときに手の指の関節を曲げてボキボキと鳴らすシーンをよく見ました(^^)
あのポキポキ鳴る音、じつは関節の中にある「滑液」という液体の中に気泡が発生してはじけるときの音なんです。
ヒトの関節には「関節包」という、関節を袋のように包む柔軟性のある組織があり、その中に滑液が入っています。
滑液は関節の動きを良くするためにタンパク質やヒアルロン酸が含まれた粘性の液体になっています。
では、どうやると音が鳴るのか?
関節部を急に引っ張ったり、グイッと強めに曲げたり、捻ったりすると関節包内の圧力が下がり、滑液の中にガスが発生して気泡になり、それがはじけることでポキポキと鳴るという仕組みになっています。
液体の性質として、密閉状態で圧力が下がると、気体が発生するという性質をご存じでしょうか?
簡単にいうと、スパークリングワインのコルクを抜くとポンッと音が鳴り、シュワシュワと気泡が発生しますよね?原理はそれと同じです。
そして、関節が1回鳴ると続けて鳴らないのは、はじけた気泡のガスが滑液に再び溶けるまで数十分かかるからです。
指の関節を鳴らしすぎると関節が太くなるとか、靱帯が緩んでしまう等の噂がありますが、まゆつばです。関節が太くなる人もいれば、太くならない人もいます。
アメリカのとある研究者によると、指の関節をポキポキ鳴らし続けても関節炎にならなかっただけでなく、左右の指の太さは変わらなかったとの実験結果を出した方がいらっしゃるとか。。。
これだけで、からだに害があるかどうか実証されたわけではありませんが、気泡が弾けるときに関節軟骨に小さな面積ですが1㎠あたりに1トンくらいの圧力がかかると言われています。
圧力がかかるからということを考えれば、関節をポキポキと鳴らすのは関節面の組織を傷つける可能性があるので、自分で頻回に鳴らす行為は極力控えたほうが良いでしょう。
ただ、関節を鳴らすとスカッとして気持ちが良いからとか、クセになって自分で鳴らしすぎてしまうということが、少なからずからだには悪影響を及ぼす可能性があることを覚えておいてください。
なかには、自分で首や腰を勢いよく動かして関節を鳴らすことが目的になってしまって痛めてしまう方もいますので気をつけてください。
セルフケアをされている方でも、ストレッチをした際に偶然関節が鳴ったことありませんか?
関節が鳴ったからといって、怖がらなくて大丈夫です。神経質になる必要はありません。
それを気にしていたら、ヒトは日常生活動作ができなくなってしまいます。
ふとした動作で関節が鳴ることありますよね? 立とうしたときに膝がポキッと鳴ったり。
なので、関節が鳴ること自体悪いということではありません。
むやみやたらと頻回に力任せで関節を鳴らすことが目的になってしまうのは良くないと私は考えています。