暑い!
梅雨が明けた途端にこの猛暑。
ほどほどの塩分と水分補給、そして朝からエアコンを使うことにためらわず、上手に使ってください。
今月は、男女での体感温度の違いについて書いていきます。
夏は特にエアコンの温度設定に悩みますよね。
老若男女問わず、温度設定の争奪戦を経験された方、いらっしゃるんじゃないでしょうか?
一般的に男性は暑く感じ、女性は寒いと感じる方が多いです。反対に、男性の冷え症もあるので、夏場のエアコンで寒いと感じる男性もいらっしゃいます。
温度の感じ方というのは人それぞれですが、男女差では3〜5度もの差があると言われています。
特に、女性に多い「冷え症」はエアコンによる冷えすぎで体調を崩す方もいらっしゃいます。
では、男女でなぜこんなにも体感温度が違うのかというと、筋肉量や皮下脂肪の影響があります。
女性のからだは男性と比べて筋肉量が少なく、脂肪が多いという特徴があります。
男性は逆で、筋肉量が多く、脂肪が少ないという特徴があります。
ヒトの体温は、約6割が筋肉で熱を作り出すので、筋肉量が少ない女性にとっては熱を作り出しにくいからだになっています。
そして、皮下脂肪にはからだの熱を逃がさない断熱材としての役割があるのですが、血管が少なく、いったん冷えてしまうと温まりにくい性質があるため、皮下脂肪が少ない方にとっては筋肉から作り出された熱は逃げやすいということになります。
つまり、男性は発熱量は多いけど断熱性能が悪く、女性は発熱量は少ないけど断熱性能が良いという、燃費の違いがあるために体感の温度差が生じてしまうのです。
また、皮フ組織にも秘密があります。
温かい、冷たいと感じる温度センサーが皮フ組織にはあります。
その冷たいと感じるセンサーが温かいと感じるセンサーよりも数が多く、より皮フ表面に近いところにセンサーが分布しているので、女性にとっては寒いと感じやすい要因のひとつともいえます。
エアコンによるからだの冷えは、慢性化して症状がひどくなると「冷房病」、医学的には「自律神経失調症」のひとつとして診断されます。
特に中高年になると、動脈硬化や血管の老化などから血流が悪くなるうえ、皮膚感覚は鈍くなりエアコンの冷気に気付かずに症状を悪化させてしまうことがあります。
自律神経は、体温調節も行いますが、5度以上の急激な気温変化には素早く対応することがむずしいと言われています。気温の著しい変化が繰り返されると、体温を下げる交感神経や体温を上げる副交感神経のバランスに異常をきたし、その結果、体の冷え、肩こり、疲労感、便秘、腰痛、手足のむくみなど自律神経失調症に似た症状が現れます。
エアコンによる冷えすぎ、室内と屋外との温度差は冷房病の主な要因です。
冷房時に男女問わず冷え症の方は、厚手の靴下、ズボン、ひざ掛けなどで下半身の冷えを予防することが重要になってくるので、冷えを我慢しないようにしてください。
寒がりがダメではなく、暑がりがダメなわけでもなく、そもそも男女のからだの構造が違うので、エアコンの温度設定で言い争いのないようにお互いのからだを思いやって理解してあげましょう。
特に暑がりの男性は、仕事から帰宅して部屋が暑いからといってエアコンの温度を下げるよりは、扇風機の風を自分のからだにだけ当てて熱気を飛ばすようにすればエアコンの温度を下げる必要はありません。
ただし、急激な温度変化は心臓血管系の負担や冷房病の要因になるので、熱さが収まれば、いつまでも冷やすのはやめておきましょう。
今月も最後まで読んでいただきありがとうございました。