今月は「肩こり」について書いていきます。
肩が凝ると、肩の鈍痛や背中の張り、頭痛、首が回せなくなったりするため、凝っている所をグリグリ、モミモミ、ストレッチしたり、首をボキボキ鳴らしてみたり、鍼灸で血行を良くしてもらったりすると気持ち良いですよね。
でも、施術してもらったのに時間とともにまたつらい症状が戻ってきて、再び凝っているところグリグリ、モミモミ。。。していませんか?
肩こりの原因は、座って同じ姿勢で仕事をしていると常に肩に力が入りすぎている結果、首・肩周りの筋肉がガチガチに凝ってしまって、血行も悪くなってしまっていると思いますよね。
間違いではありませんが、首・肩周りの筋肉の凝りの原因はそれだけじゃないんです。
ヒトのからだの筋肉は使いやすい筋肉ばかり使ってしまうので、アンバランスに筋力を発揮している結果として少しずつ関節が正常な動きを失い、歪む、ズレる、凝るといった症状がでてきます。
関節を構成している筋肉は、バランス良く力が発揮できていると正常な動きができるので歪む、ズレる、凝るというような症状は起きにくくなります。
関節が歪んでるから、ズレてるから、凝ってるから筋力が発揮できずに痛くなってくるのではありませんよ。
なので、デスクワークをしているときの姿勢は、使いやすい筋肉ばかりが働いている状態が作り出されている反面、正常な働きをサボろうとする筋肉もあるのです。
そのサボっている筋肉に何もせず放置しているせいで、再び肩が凝ってきて、つらい症状が戻ってきてしまうのです。
では、肩こりの原因になるサボりやすい筋肉は?というと4つあります。
肩こりで悩む方の多くが、肩甲骨と腕をつないでいる所の関節を構成している筋肉がサボっている、働きにくくなっている状態です。
その構成している場所を鍛えるべき筋肉が、背骨から肩甲骨の内側までつないでいる菱形筋(りょうけいきん)と脇の下の肋骨から肩甲骨の内側をつないでいる前鋸筋(ぜんきょきん)です。
菱形筋がサボると首の後ろの筋肉がガンバってしまいます。頭と首を下側から支えてくれる筋肉です。
前鋸筋がサボると鎖骨の下の胸の筋肉がガンバってしまうため、肩甲骨が外側へ移動しようとしてしまうため巻き肩になってしまいます。
また、第1肋骨から首につながる筋肉もガンバってしまうため、首こりやストレートネックの原因にもなってしまいます。
この2つの筋肉がサボる、働きにくくなることで、頭と首を支えている筋肉(肩が凝ると手で触ってしまう場所)が凝ってしまい、その結果、首が回しにくくなったり、痛くなったり、ストレートネックになったりしてしまいます。
残る2つの筋肉は、肩甲骨の前面から上腕骨上方の内側をつないでいる肩関節の前部分を支える肩甲下筋(けんこうかきん)、肩甲骨の外側と上腕骨上方の後ろから肘の後ろをつないでいる肩関節の後ろを支える上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)です。
上腕三頭筋は、女性がダイエットで気になる場所のひとつ、二の腕と言われる場所です。
肩甲下筋がサボると腕の力こぶができる場所の筋肉、上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)がガンバってしまいます。
肘の前につながっているので、肘の痛みがでることもあります。
また、肩甲下筋は前鋸筋とつながっているので、前鋸筋がサボると肩甲下筋も同時にサボってしまうので巻き肩の原因にもなる筋肉です。
上腕三頭筋がサボると上腕二頭筋と肩甲骨の後ろで上方と外側の筋肉がガンバってしまいます。
肩の後ろが痛いときは、この筋肉がサボっているのです。
この4つの筋肉の働きが悪くなると、肩こりに限らず「四十肩」、「五十肩」といったことにもなってしまいます。
肩が凝っている場所を揉んだり、伸ばしたり、首や背中をボキボキ鳴らすなら、肩こりの原因になっているサボリ筋を鍛えるのが症状の戻りがない方法です。
サボリ筋を放置していては、良くなるものも良くならないです。
今月も最後まで読んでいただきありがとうございました。