運動中や夜中眠っているときに足がつった経験ありませんか?
ふくらはぎに突然の激痛で「う〜っ」って動けなくなって数分間耐えたという方や高齢者の方で毎晩足がつって睡眠不足という話も聞いたことがあります。
足がつる、特にふくらはぎに発症したときに「こむらがえり」とも言いますが、ふくらはぎの筋肉が過剰に収縮して、けいれんを起こすことでなってしまいます。これは、ふくらはぎに限らず足の土踏まずや指、太ももなどからだのどこでも起こります。
足がつってしまう原因
筋肉は過剰に伸びたり収縮したりすると痛めてしまうので、伸びすぎを防ぐ筋紡錘(きんぼうすい)と縮みすぎを防ぐ腱紡錘(けんぼうすい)というセンサーがあります。その中で、腱紡錘の働きが低下すると筋肉が過剰に収縮して、こむらがえりが発生してしまうのです。
腱紡錘の働きが低下してしまう大きな原因には、ミネラルバランスの乱れがあります。
筋肉の細胞にはカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、水素の各イオンバランスが取れていることで正常な伸び縮みができます。
カルシウム、カリウムは、筋肉の収縮や神経の伝達をスムースにする働きがあり、この2つのミネラルを調整しているのがマグネシウムです。特にマグネシウムが不足してしまうと腱紡錘の働きが低下してしまいます。
ミネラルバランスの乱れ以外にも、運動中や就寝中の発汗による脱水でミネラルが失われる、体の冷えによる血行不良も腱紡錘の働きを低下させる原因です。
また、加齢によっても腱紡錘の働きは低下してしまいます。年齢を重ねると若い頃よりも運動量は減ってくるため筋肉量が減少、筋肉内の血行が悪くなりがちで乳酸などの疲労物質が排出しづらくなるため、就寝中にこむらがえりのリスクが高まってしまいます。
足がつらないようにするにはどうすれば良い?
●水分、ミネラルをこまめに補給
運動中や就寝中は水分不足でこむらがえりが発生しやすくなります。スポーツドリンクなどで水分・ミネラルを補給するよう
にしてください。また、就寝前にコップ1杯の水を飲むのも有効ですよ。
●栄養バランスに気をつける
マグネシウム不足は腱紡錘の働きを低下させてしまいます。マグネシウムは、わかめやひじきなどの海藻類やナッツ類に多く
含まれています。カルシウムは、乳製品や大豆製品、魚介類に多く含まれています。カリウムは、さつまいもなどのイモ類、
バナナやキウイなどの果物に含まれています。また、疲労を回復させるのに、豚肉やうなぎなどに含まれているビタミンB1、
レモンや梅干し、お酢に含まれるクエン酸も摂れると良いでしょう。
●からだを冷やさない
冷えは筋肉を収縮させてしまいます。夏でもパジャマは長ズボンを選ぶ、足にタオルケットをかけるなどしてください。
●湯船につかる
シャワーだけで済ませるのではなく、湯船につかってからだを温めて血行を良くして、疲労物質を流しましょう。
●空いた時間にストレッチ
仕事で座りっぱなし、立ちっぱなしの方、休憩時間にふくらはぎを伸ばしたりすることも予防になります。
気をつけていたけども足がつってしまった!!そんなときは!
こむらがえりが発生しても一時的なので、ストレッチをして患部を伸ばしましょう!
座って伸ばす時は、膝を伸ばした状態で手で足の指先を持って、手前に引き寄せるようにしてアキレス腱を伸ばすようにしてください。手が足の指先に届かない方は、立って壁に手をついて、患部側の足を後ろに引いてアキレス腱を伸ばすようにしても良いですよ。ただし、無理に一気に伸ばすと筋肉の繊維を損傷させてしまうので、徐々にゆっくりと伸ばすようにしてください。あと、中途半端な伸ばし方でやめてしまうと患部に痛みが残ることもあるので、くれぐれもゆっくり、しっかりと伸ばすようにしてください。
立っても座っても、ふくらはぎを伸ばすのが難しい方は、ふくらはぎ全体をほぐすようにマッサージをする方法でも良いですよ。
毎晩、足がつってしまって睡眠不足の方は、漢方薬で足がつってしまうのを改善できる方法もありますが、念のため医療機関を受診するようにしてください。特に、胸部で発生した場合には、重篤な病気が潜んでいる場合もあるので気をつけてください。