今月は関節トレーニング(セルフケア)の効果について書いていきます。
以前もお伝えしましたが、凝っているところを揉む、緩める、鍼灸などで血行の流れを良くする、骨盤矯正など関節をポキポキ鳴らす矯正では、働きが悪くなっている筋肉を力が出やすいようにすることはできません。
関節を守るための筋力のバランスが悪いままでは再びからだは歪んでしまい、凝りや痛みが再発してしまいます。
働きが弱くなった筋肉を狙って意識して動かすことが、痛みなどの症状を改善し、からだを歪みにくくする方法とお伝えしました。
そして、関節を守る重要な筋肉は12個あり、その筋肉は働きが悪くなりやすいので、セルフケアをしなくなると凝りや関節痛を再び招きやすい特徴があります。
だから、セルフケアの継続は必要になってきます。
関節トレーニングという言葉から、関節痛だけに効きそうに思えてしまいますが、じつは関節痛以外にも効果を発揮してくれます。
関節を守る筋力がバランスを保てるようになると、筋肉は正常な働きを取り戻して美容痩身効果、代謝や血流向上といった内科的なことにも効果を発揮します。
例えば、ふくらはぎには何個も筋肉があり、その中でも特に腓骨筋(ひこつきん)、後脛骨筋(こうけいこつきん)の働きが非常に大事です。
この2つの筋肉の働きが正常であれば、ふくらはぎの役割でもあるポンプ機能も正常になり、全身の血液やリンパ液の流れは促されるので、足がむくむこともありませんし、つってしまうこともありません。
また、体幹にある多裂筋(たれつきん)と腹横筋(ふくおうきん)を鍛えれば、息を吸うときに大事な働きをする横隔膜の動きが良くなるので、深い呼吸や自然な腹式呼吸ができるようになり、腹横筋は腹部をコルセットのように引き締める役割もあるので、ポッコリおなかの解消にもなります。
肩甲骨周囲の筋肉を鍛えると、首や顔に筋肉はつながっているので目の下のたるみやしわなど、顔の表情筋にも良い影響を与えてくれます。
さらに、腹横筋と内転筋(ないてんきん)を鍛えることで骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)にも良い影響を与えるので、尿漏れ対策や妊婦さんの安産対策にもなります。
血流が良くなると、高血圧、糖尿病をはじめとした生活習慣病の改善、新陳代謝のアップ、便秘や冷え症の改善など、いろいろな体調不良の改善が期待できます。
また、リンパ液の流れが良くなれば、体内の老廃物や余分な水分がスムーズに排出されるようになります。
呼吸が深くなって腹式呼吸ができるようになれば、デトックス効果、リラックス効果、疲労回復の促進効果も得られます。
これらが相乗的に働くことで、中性脂肪の低下、内臓脂肪の燃焼といったダイエット効果も大いに期待できるでしょう。
このトレーニングを定期的に取り入れて実践すると、働きの悪い筋肉が正常に働くようになり、関節が安定して効率的でスムーズな動きが可能になるうえに、血液やリンパ液など、全身の循環機能もアップすることから新陳代謝が高くなり脂肪燃焼を促すことは間違いありません。
もちろん、関節トレーニングをする頻度によって、効果が出始めるのには個人差があります。
施術してもらったときだけ、たまにしかやらない、やり方が間違っていたら効果は期待できません。
でも、正しくやり方を覚えてしまえば、上半身に約5分、下半身に約5分の所要時間で1日分のセルフケアは完了です。
スポーツをされている子どもから大人の方であれば、試合前、練習前にやるとケガの予防にもなりますし、パフォーマンスの向上にもつながります。
24時間あるうちの約10分だけ、ご自分のからだにケアする時間を作ってみてはいかがでしょうか?
今月も最後まで読んでいただきありがとうございました。